爆発の嵐 スエズ運河を掘れ あらすじ

 地中海と紅海を結ぶスエズ運河。全長163km、19世紀に12万人の命をかけて作られた世界の海運の大動脈である。しかし、巨大タンカーの出現で、幅78mの狭い運河は存亡の危機に立った。昭和36年、エジプトの国家プロジェクトとして始まった運河の拡幅増深工事に挑んだのは、日本の海洋土木会社・水野組(現 五洋建設)の技術者たちだった。

 工事の主役は、10億円をかけた5,000馬力のポンプ船「スエズ号」。しかし、水底にはコンクリートの5倍も硬い「悪魔の岩盤」が眠っていた。土砂を削るカッターの刃先は2時間でボロボロ。1日3回交換を迫られ、その都度掘削が止まった。さらに狭い運河を通行する船団との衝突の危機が、プロジェクトを悩ませた。

 昭和42年、イスラエルの戦闘機が突如爆撃を始めた。第3次中東戦争の勃発だった。水野哲太郎は新たな工事区域の入札のため、砲弾の中、スエズ運河庁に向った。運河庁長官マシュフールに入札の書類を手渡し、固く握手をかわした。しかし現況は悪化。運河は閉鎖され、工事は中断。技術者たちとスエズ号はやむなく帰国した。

 中東戦争集結後、水野のもとに国際電話がかかった。電話の相手はマシュフール。「あの時の契約は生きている。新たな工事をあなたにお願いします。」水野はすぐにエジプトに飛び、契約に挑んだ。工事計画は前回をはるかに凌ぎ、海外の工事で戦後最高の受注額だった。しかし再開された工事にもう一つ難題が降りかかった。運河に残された大量の不発弾だった。ポンプ船の中で爆発、現場は騒然となった。プロジェクトの命運を賭け、日本人ダイバーらによる不発弾処理チームが組織された…。

 日本の海洋土木技術の威信をかけ、国際舞台に挑んだ男たちの壮絶なドラマを描く。

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