太平洋1万キロ 決死の海底ケーブル あらすじ

 昭和40年代、国際電話はアメリカが牛耳っていた。太平洋に初めて電話線のケーブルを敷設したのは、アメリカの電話会社AT&T。アメリカまでの通話料は5分間で6000円を超えた。

 「アメリカを凌駕する海底ケーブルを作ろう」KDD(国際電信電話)を中心に、電線、電機メーカー8社200人の技術者が集結し、「日本連合」を結成。莫大な情報を一瞬で運べる確信的な通信技術「光ファイバー」を収めた海底ケーブルを敷設するプロジェクトが動き出した。

 しかし、敷設には大きな問題があった。ケーブルを襲うサメ、固い岩場、そして最大の難所、日本海溝水深1万mの水圧だった。

 昭和63年、日本とアメリカ双方からケーブルを敷き、太平洋の真ん中でドッキングさせる日米共同プロジェクトが始まった。日本側のケーブル敷設は、総延長4000km。敷設船「KDD丸」の乗組員は80人。責任者の細谷辰雄は、病に倒れたが、不屈の精神で船に舞い戻ってきた男だった。

 敷設は困難を極めた。50kmごとに信号を増幅する中継機が傷つき故障。中継機を引き上げ修理している間に、ケーブルが海底にたたきつけられズタズタになった。さらに毎秒2mの黒潮の流れがケーブルを襲う。ケーブルを送り出す速度を抑えると船は転覆、逆に出しすぎるとコースから外れる。

 そして航海118日目、KDD丸は至難の末、ケーブルの敷設を成し遂げた。その矢先だった。アメリカ側の敷設船「ロングラインズ号」から助けを求める連絡が入った。

 情報の大動脈を築くため、洋上で自らの技術を尽した男たちの知られざるドラマを描く。

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